ふるさと納税を行うと、所得税または住民税(都道府県民税・市区町村民税)から控除されます。ふるさと納税をしたのはいいけど、これらの税金が正しく減額されているかどうかを確認している人は少ないと思われます。
しかし、ご存知のとおり、ふるさと納税は税の控除額に限度額があり、寄附額-2,000円の控除が受けられない場合もあります。このページでは、所得税または住民税の控除額を確認する方法を紹介します。
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ふるさと納税を適用するための注意点
2つの申請(申告)方法
ふるさと納税を適用するためには、次の2つの方法があります。控除される税金の種類は異なりますが、原則として、控除の合計額はどちらの方法によっても同じです。
- ワンストップ特例
「市町村民税・道府県民税寄附金税額控除に係る申告特例申請書(様式第五十五号の五様式)を寄附先の都道府県・市区町村に提出する方法
住民税(都道府県民税・市区町村民税)から控除されます。 - 確定申告
「所得税及び復興特別所得税の確定申告書」を最寄りの税務署に提出する方法
所得税と住民税(都道府県民税・市区町村民税)から控除されます。
ワンストップ特例の注意点
ワンストップ特例は、申告特例申請書を提出したとしても、次の場合は適用されせん。
- 6か所以上の都道府県・市区町村に寄附した場合
別途確定申告を行わないと税の控除は受けられません。 - 確定申告をした場合
医療費控除等の適用を受けるため確定申告をした場合は申告特例申請書の提出が無効になります。そのため、確定申告にて都道府県・市区町村への寄附をしたものとして、「寄附金控除」を含めて申告する必要があります。
確定申告の注意点
確定申告を行うと、所得税と住民税(都道府県民税・市区町村民税)から控除されます。そのため、所得税が0円の場合、控除するものがないため、満額(寄附額-2,000円)の控除が受けられません。サラリーマンの場合、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)により所得税が0円となるケースが見られます。
したがって、確定申告を行う必要がない場合の方で、寄附先が5か所以内であれば、ワンストップ特例を適用した方が無難であると考えられます。
ふるさと納税が満額控除されない原因
- 寄附先が6か所以上あるのにワンストップ特例で申請した。
上記のとおり、ワンストップ特例は適用されないため、確定申告をしなければ控除を受けられません。 - 確定申告はしたが、寄附金控除の記載に誤りがあった。
寄附先を都道府県・市区町村として寄附金控除を記載しないとふるさと納税と認識されません。 - 寄附金控除(所得税)の限度額を超えた。
確定申告により申告した場合、寄附金控除の限度額(所得金額の40%)を超えると満額(寄附額-2,000円)控除されません。 - 寄附金税額控除(住民税)の限度額を超えた。
寄附金税額控除の限度額(総所得金額等の額の30%、所得割額の20%)を超えると満額(寄附額-2,000円)控除されません。
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確認方法
確認する書類
確認する書類は以下のとおりです。
所得税 | 所得税及び復興特別所得税の確定申告書(控) |
住民税 | 都道府県・市(特別)区町村民税納税通知書(自宅へ送付) ※住民税を納付書または口座振替で納付する方や、公的年金から天引きする方 都道府県・市(特別)区町村民税税額決定通知書(勤務先へ送付) ※住民税を勤務先の給与から天引きする方 |
ワンストップ特例の場合は住民税の確認書類、確定申告の場合は所得税と住民税の確認書類を確認します。
確定申告書の確認方法
所得税から満額(寄附額-2,000円)控除されているか確認します。
- 第1表「寄附金控除」に寄附額-2,000円が記載されているか。
- 寄附額が第1表「所得金額」の「合計」の30%以内か。
- 第1表「所得税及び復興特別所得税の額」が1円以上か。
- 第2表「住民税・事業税に関する事項」の「寄附金税額控除」の「都道府県、市区町村」に寄附額が記載されているか。
都道府県・市(特別)区町村民税納税通知書の確認方法
「税額控除」の「寄附金税額控除」に記載された金額(都道府県民税と市区町村民税の合計)
都道府県・市(特別)区町村民税税額決定通知書
「寄附金税額控除」に記載された金額(都道府県民税と市区町村民税の合計)
※「税額控除」の1項目として「寄附金税額控除」がありますが、「税額控除」の内訳を「寄附金税額控除」「住宅借入金等特別税額控除」等として欄外に印字する市区町村と印字しない市区町村があります。印字しない市区町村は、税額控除から寄附金税額控除以外の項目を引いて逆算する必要があります。
なお、税額控除には寄附金税額控除のほか、調整控除、配当控除、住宅借入金等特別税額控除(住宅ローン控除)、外国税額控除などがあります。