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まねきケチャ|2018年を振り返る

このページでは、2018年にあったまねきケチャの主な出来事について振り返ります。2018年はTDCホールや日本武道館でのライブを成功させるなど、実力・知名度ともに飛躍した年でした。一方で、リードボーカルだった藤川千愛が卒業し、まねきケチャが大きく変わる年でもありました。

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TDCでまねきケチャ2018

2018年のまねきケチャは、1月3日の「TOKYO IDOL PROJECT×@JAMニューイヤープレミアムパーティー2018」で幕を開けました。その4日後には、2018年上半期のハイライトである「TDCでまねきケチャ2018」が行われました。前月に加入した深瀬美桜が1カ月間の猛練習の末に立った大舞台でした。3時間20分に及ぶライブでは、新曲『キミに届け』『カクカクシカジカ』『ハリネズミの唄』の初披露や日本武道館公演の開催発表がありました。まねき史上最大級の会場ともあって、メンバー、スタッフ、ファンそれぞれが待ちに待ったライブでした。

新曲『鏡の中から/あたしの残りぜんぶあげる』のリリース

1月20日に行われた「まねきケチャの運試しケチャ!」では、日本コロムビアへの移籍とともに新曲のリリースが発表されました。そして、その約1週間後にはリリースイベントが開始されました。連日リリースイベントがあるため、ライブはほとんど行われなくなりましたが、2月18日には「まねきケチャカーニバル!東京」が開催されました。このライブで『鏡の中から』が初披露されました。

3月18日にはロマンチックコンポートとともに深瀬美桜生誕祭が行われました。深瀬美桜初の生誕祭でしたが、『Massara Blue Jeans』で盛り上げるなど、大成功に終わりました。 そして、この翌日、藤川千愛が体調不良で活動を休止しました。さまざまな憶測が飛び交う中でも、残されたメンバーは名古屋、広島などの地方遠征をこなしました。3月下旬からは毎日のようにリリースイベントがありました。藤川千愛不在の中、4人でリリースイベントを行いました。

そして、4月14日の宇都宮でのリリースイベントで藤川千愛が復帰し、無事5人揃って4月18日の発売日イベントを開催することができました。 新曲『鏡の中から』はフジテレビ『ゲゲゲの鬼太郎』のエンディングテーマになったことで、大きな話題を呼び、まねきケチャの知名度を大きく広げました。

生誕祭ラッシュ

5月に入ってからは、生誕祭ラッシュでした。5月3日には宮内凛、5月5日には松下玲緒菜、5月26日には中川美優、6月10日には藤川千愛の生誕祭が行われました。宮内凛生誕祭では『TT -Japanese ver.-(Twice)』、松下玲緒菜生誕祭ではハート型ウイルス(AKB48)』、中川美優生誕祭では『さよならミッドナイト(大柴広己)』、藤川千愛生誕祭では『僕が僕であるために(尾崎豊)』などが披露されました。また、5月19日には全国ツアー『まねきケチャカーニバル』のファイナルが行われました。

夏の野音deまねきケチャと藤川千愛の卒業発表

6月23日には動画配信アプリ「FRESH!」の企画で、生バンドによる音楽番組の収録がありました。オリジナル曲はもちろん、『チェリー(スピッツ)』、『ともに(WANIMA)』といったカバー曲も披露しました。 7月はあまりイベントがありませんでしたが、パリ遠征があったほか、三浦海岸の海の家では、「まねきケチャの夏祭りケチャ!」が行われました。8月3日~5日には、毎年恒例のTokyo Idol Festival 2018が行われました。8月25日には日比谷野外大音楽堂で「まねきケチャスプラッシュ!2018」と「夏の野音 de まねきケチャ」が行われました。前者では、大型のホースを使い、客席に大量の水を撒くなど、夏らしい演出がありました。夜の部の後者では、「エモい演出」をテーマとして、セミの響き渡る夜の日比谷公園で、『相思い』の初披露や、『タイムマシン』『どうでもいいや』『昨日のあたしに負けたくないの』などの「エモい」曲を次々と披露しました。そして、このライブにて藤川千愛の卒業が発表されました。ライブ終了後には多くのファンが日比谷公園で泣き崩れました。翌日の「@JAM EXPO2018」では、藤川千愛のチェキ券に殺到し、すぐに完売となりました。

2018.9.24日本武道館に立つ

その後、「サイサイフェス」や「ノタフェス」、定期公演の「強化計画」など、藤川千愛と話せる数少ない現場をこなし、ついに、9月24日、ひとつの目標であった日本武道館公演を迎えました。満員となった日本武道館では、定番曲のほか、ソロ曲を披露するなど、まねきケチャ最長の4時間10分の壮大なライブを成功させました。そして、この日をもって藤川千愛はまねきケチャを卒業しました。 10月4日の「天使の日に天使かよ!」で4人体制となったまねきケチャは、10月8日に「レンブラント de まねきケチャ」を開催しました。ホテルのパーティー会場でファンとメンバーが食事会をし、ファン同士のつながりを深めた新しい試みでした。10月27日の「ハロウィンコンポート2018」では、半年以上ぶりにコレットプロモーションの対バンイベント、ロマンチックコンポートが復活しました。心配された日本武道館公演後の人気も衰えることなく、新たなファンが増えていきました。

篠原葵の加入で生まれ変わったまねきケチャ

11月に入っても、毎週のようにワンマンライブやロマンチックコンポートがありました。また、11月25日にはジャガルタ遠征もありました。 12月15日からは東名阪ツアーが始まりました。同日の大阪公演では、新メンバー、篠原葵がお披露目されました。歌やダンスの経験がなく、ぎこちない雰囲気でしたが、逆にそれが、新しいまねきケチャを作り上げていく決意の表れでもありました。 また、15日の大阪公演のほか、24日の東京公演、25日の名古屋公演においては、新曲『いつかどこかで』を初披露するとともに、日本武道館公演で披露したソロ曲を5人バージョンで披露しました。日本武道館公演で止まった時の流れが再び動き出した印象を受けました。 再び5人体制となったまねきケチャ。歌唱の主軸であった藤川千愛の卒業と、アイドル未経験の篠原葵の加入。一見するとレベルが落ちたようにも感じますが、日本武道館公演で一旦の完成形を見せたまねきケチャがまた生まれ変わろうとしているという意味では、将来の楽しみがまた増えたとも言えます。日本のアイドルは成長を楽しむという特色があります。来る2019年。新しいまねきケチャを、篠原葵含む5人のメンバー、スタッフ、そしてわれわれファンで作り上げていきましょう。

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5分で分かるまねきケチャ|メンバーから楽曲まで

まねきケチャってどんなグループ?

まねきケチャは、日本ツインテール協会がプロデュースする第2弾アイドルグループとして、2015年8月8日にデビューした5人組のアイドルグループです。「多角化するアイドルシーンに、既存の“萌え”を超えた“福”の世界を届けたい」として、福を招く「まねきねこ」とアイドル現場で見られる「ケチャ」を合わせ、「まねきケチャ」と命名されました。歌を第一優先に考え、結成当初から「完全生歌」にこだわっており、その歌唱力の高さが注目されるようになりました。また、美少女に精通した日本ツインテール協会からデビューしたこともあり、ルックスの高さから「顔面偏差値おばけ」と評されるようになりました。

日本ツインテール協会会長の古谷完(ふるや かん)がプロデューサーで、ナナランド(旧drop)とともに同氏が社長を務める株式会社collet promotionに所属しています。

結成当時のメンバーは、中川美優(当時20歳)、藤川千愛(当時20歳)、藤咲真有香(当時17歳)、宮内凜(当時17歳)、松下玲緒菜(当時16歳)の5人でした。

TIFメインステージ争奪ライブ優勝

まねきケチャを一躍有名にしたのが、Tokyo Idol Festival 2016のメインステージ争奪ライブの優勝でした。2016年6月19日に行われた「TIFメインステージ争奪LIVE ~前哨戦~」では、sora tob sakana、じぇるの!、MAPLEZ、8月5日に行われた「TIFメインステージ 争奪LIVE ファイナル」では、MAPLEZ、生ハムと焼うどん、神宿を抑え、TIFのHOT STAGE(メインステージ)に立ちました。

5月から7月にかけての3カ月大箱ライブ(Zepp Tokyo中野サンプラザ代々木公園野外音楽堂)に続けて8月のTIFメインステージ争奪ライブに優勝したことで、まねきケチャの快進撃はアイドルファンのなかでも話題となり、一躍名前が知られるようになりました。

また、年末には『きみわずらい』がアイドル楽曲大賞2016で1位を獲得し、まねきケチャの代表曲として確立するようになりました。

藤咲真有香の卒業と深瀬美桜の加入

順調に進んできたまねきケチャですが、2017年4月7日、藤咲真有香体調不良を理由に活動を休止し、5月26日に卒業しました。ネットではさまざまな憶測がありましたが、結局どれも信ぴょう性がなく、現在では、公式の発表どおり、体調不良によるものだと考えられています。

当時は『どうでもいいや/ありきたりな言葉で』のリリースイベントを行っている最中でしたが、卒業を受けて4人体制でリリースすることになりました。

しばらく4人での活動が続いていましたが、2017年11月22日に深瀬美桜が加入しました。お披露目直後から広瀬すずに似ていると話題になりました。また、もともと、コロッケがプロデュースする「Kin♡Gin♡Pearls(キンギンパールズ)」というアイドルグループで活動していたこともあり、即戦力としてすぐにステージに立つことになりました。

日本武道館公演と藤川千愛の卒業

2018年1月7日に行われた過去最大規模のTDCホールでの単独ライブにて、9月24日に日本武道館公演を開催する旨の発表がありました。さらに、2月18日に行われた全国ツアー初日に初披露された『鏡の中から』は、フジテレビ系『ゲゲゲの鬼太郎』のエンディングテーマに抜擢され、さらにまねきケチャの知名度を広げることとなりました。勢いが止まらないまねきケチャでしたが、2018年8月25日に行われた「夏の野音 de まねきケチャ」で藤川千愛がソロ歌手に転身するため、日本武道館公演で卒業することが発表されました。

9月24日に行われた日本武道館公演は約1万人の観客で埋め尽くされました。3年間の成長した姿を見せるとともに、藤川千愛の卒業を見送りました。

篠原葵の加入

2018年12月15日に行われた「まねきケチャ東名阪ツアー2018」の大阪公演で新メンバーの篠原葵がお披露目されました。深瀬美桜同様、加入後すぐの2019年1月5日にTDCホールの大舞台に立ちました。TDCホール公演後すぐに『いつかどこかで/ワンチャンス』のリリースイベントが始まりました。これまで2度体調不良による活動休止を伴ってきたリリースイベントですが、今回は大きなトラブルなく終えることができました。その後夏フェスを経験し、成長した新体制のまねきケチャは、2019年8月31日に舞浜アンフィシアターで4周年ライブ「4周年だよ!まねきケチャ」が行われました。このライブではニューアルバム発売の発表がされました。

メンバー紹介

  • 中川美優(なかがわ みゆう)
    中川美優
    公式ホームページより

    まねきケチャのリーダーで、アニメ声が特徴的です。人前に出るのが好きではなく、あまり感情を表に出しませんが、必ず話のオチで笑いを誘うことから、トークイベント「まねきケチャ強化計画」では欠かせない存在となっています。

    毎晩地元の酒屋で夜遅くまで呑むことから呑んべえキャラが確立しています。また、極端な偏食家で、地球上の食品の8割のものが食べられず、主食は栗やチョコ、アイスクリームであると公言しています。下ネタを話すことがしばしばあり、お勧めの本としてエロマンガを挙げる一面もあります。

    学歴は地元の新聞にも掲載されており、帯広稲田小学校、帯広南町中学校、帯広商業高校、文化服装学院(東京)を卒業しています。なお、中川美優の推し界隈を「子羊」と呼んでいます。

    中川美優の魅力

     

    カラー
    属性
    まねき獣
    出身地 北海道
    生年月日 1995年5月12日
  • 宮内凛(みやうち りん)
    宮内凛
    公式ホームページより

    真面目な性格で、まねきケチャの影のリーダーです。MCではしっかりと進行し、安心感があります。栃木出身で、現在も栃木県から通っています。ダンスにキレがあるのが特長的です。親子して左利きです。

    韓国のアイドルやドラマに造詣があり、生誕祭などではTWICEの楽曲を披露することもあります。また、「画伯」と呼ばれ、想像の斜め上を行く画力が人気です。最近では、松下玲緒菜同様、激辛キャラとしても確立しています。なお、宮内凛の推し界隈を「カワウソ族」と呼んでいます。

    宮内凛の魅力

    カラー
    属性
    まねき獣 かわうそ
    出身地 栃木県
    生年月日 1998年5月1日
  • 松下玲緒菜(まつした れおな)
    松下玲緒菜
    公式ホームページより

    まねきケチャのセンターを担当しています。歌唱力にも定評があり、『きみわずらい』や『ありきたりな言葉で』での掛け合いは、まねきケチャのライブの醍醐味です。特典会では一番人気で、対応の良さが特長的です。グラビア担当でもあり、プレイボーイなどの雑誌の表紙を飾ることもあります。

    小柄ながら大食いかつ激辛好きで、蒙古タンメン中本の北極を週に5回食べると公言しています。そのためか新陳代謝が良く、ライブではメンバーで最も汗をかき、すぐに前髪がぺちゃんこになります。

    愛知県名古屋市出身で、小学校5年生の時に地元SKE48のオーディションを受け、書類選考で落ちたものの、日本ツインテール協会にて「川尻玲緒菜」として活動し、2013年に「ワタナベプロ主催MISS NEXT GIRL 2013 グランプリ」を獲得しました。2015年4月15日に松下玲緒菜に改名し、現在のコレットプロモーションに移籍しました。なお、松下玲緒菜の推し界隈を「マタタビー」と呼んでいます。

    松下玲緒菜の魅力

    カラー
    属性
    まねき獣
    出身地 愛知県
    生年月日 1999年5月2日
  • 深瀬美桜(ふかせ みお)
    深瀬美桜
    公式ホームページより

    2017年11月22日に加入しました。コロッケがプロデュースする「Kin♡Gin♡Pearls(キンギンパールズ)」の元メンバーで、歌唱力、ダンス、ルックスの全てにおいて高いレベルを誇ります。ただし、トークが苦手で、MCでも反応につまることがあります。また、天然な性格でもあります。学生時代は器械体操部に所属しており、運動神経は抜群です。茨城県出身で、現在でも茨城県から通っています。最近では、栃木県から通う宮内凛とともに、北関東の争いを芸人・構成作家の石橋哲也にいじられることがあります。なお、深瀬美桜の推し界隈を「コアラー」と呼んでいます。

    深瀬美桜の魅力

    カラー
    属性
    まねき獣 コアラ
    出身地 茨城県
    生年月日 2000年3月30日
  • 篠原葵(しのはら あおい)
    篠原葵
    公式ホームページより

    2018年12月15日に行われた「まねきケチャ東名阪ツアー2018」の大阪公演でお披露目されました。ダンス、歌が未経験で、高い身長がトレードマークです。真面目な性格でありながら、天然な発言が多く、そのギャップが魅力です。

    カラー
    属性 自然
    まねき獣 ペンギン
    出身地 愛知県
    生年月日 2000年7月1日
  • 藤咲真有香(ふじさき まゆか)<2017年5月26日卒業>
    藤咲真有香
    公式ホームページより

    「まゆた」の愛称で親しまれました。ダンスが苦手で他のメンバーを引っ張ってしまうことが悩みでした。天然キャラが特徴で、暗いまねきケチャの中でも元気なメンバーとして人気を博していました。『どうでもいいや/ありきたりな言葉で』のリリースイベント中に体調不調で活動を休止し、そのまま卒業するとともに芸能界を引退しました。

    カラー
    属性
    まねき獣 パンダ
    出身地 栃木県
    生年月日 1998年2月7日
  • 藤川千愛(ふじかわ ちあい)<2018年9月24日卒業>
    藤川千愛
    公式ホームページより

    ギタリストで音楽評論家のマーティ・フリードも絶賛するまねきケチャの歌姫で、金髪担当です。岡山県井原市出身で、岡山方面の訛りがあります。祖父は演歌歌手で、近所に住む芸人の千鳥ノブの父と家族ぐるみの付き合いでもあります。また、母は岡山でも有名なネイリストです。

    祖父の影響を受け、もともと歌手を志望しており、抜群の歌唱力を活かしてカラオケ番組にたびたび出演します。また、非常にストイックな性格で、その様子がフジテレビ「アイドリアル」で特集が組まれました。さらに、フジテレビ月9ドラマ『貴族探偵』にも出演したことがあり、多彩な才能を魅せています。

    もともと左利きで一部矯正したため、箸と絵を描くときは今でも左です。なお、藤川千愛の推し界隈を「うさぎ組」と呼んでいます。

    藤川千愛は、ソロ歌手に転身するため、9月24日に行われた日本武道館公演をもって卒業しました。

    カラー ピンク
    属性
    まねき獣 うさぎ
    出身地 岡山県
    生年月日 1995年6月6日

まねきケチャの楽曲

作曲は全て音楽クリエイター集団であるElements Gardenが担当しています。水樹奈々などの楽曲を手掛ける上松範康(あげまつ のりやす)が楽曲の総合プロデューサーとなり、藤永龍太郎(ふじなが りゅうたろう)と末益涼太(すえます りょうた)(現在はElements Gardenを脱退)が作曲・編曲を行っています。『きみわずらい』『ありきたりな言葉で』など印象に残るメロディーを特徴とする藤永龍太郎と『冗談じゃないね』『カクカクシカジカ』などデジタルサウンドを特徴とする末益涼太の楽曲の世界観は対照的で、まねきケチャの世界観を広げています。両者とも一回聞くと何度も聞きたくなる中毒性のあるサウンドが特徴です。また、一般的なアイドル曲とは一線を画しているため、アイドルファン以外からも支持を受けています。

作詞は全てプロデューサーの古谷完が担当しています。フレーズを3回繰り返したり、サビの歌詞を1番も2番も同じにするなど、頭に残りやすい歌詞が特徴的です。

楽曲一覧はこちらをご覧ください。

ライブでは、『冗談じゃないね』『キミに届け』など、末益涼太が作曲した楽曲で盛り上げ、後半で『あたしの残りぜんぶあげる』など藤永龍太郎が作曲した楽曲で心に響かせ、最後に『きみわずらい』で終わるというセットリストが一般的です。末益涼太と藤永龍太郎の対照的な世界観をセットリストの流れで表現することにより、ライブに飽きることないよう工夫されています。私自身も、初めてまねきケチャのライブを観たとき、『冗談じゃないね』と『きみわずらい』のギャップに心を打たれ、ファンになった経緯があります。

ライブ・イベントの種類はこちらをご覧ください。
ライブの参加方法・チェキ会のしくみはこちらをご覧ください。
MIX・コールはこちらをご覧ください。

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まねきケチャ|あたしの残りぜんぶあげるMVと今後の可能性

『あたしの残りぜんぶあげる』のMVがYouTubeの公式チャンネルで公開されました。ニューシングル『鏡の中から/あたりの残りぜんぶあげる』に収録されており、作詞は古谷完、作曲・編曲は藤永龍太郎(Elements Garden)です。藤永氏は「きみわずらい」「ありきたりな言葉で」など、まねきケチャの名曲を数々手掛けています。今回もまねきケチャらしいミディアムバラードに仕上がっています。

今回は、『あたしの残りぜんぶあげる』の世界観を解説するとともに、今後のまねきケチャの今後の可能性を考えていきます。

コンテンツ

『あたしの残りぜんぶあげる』MV

MVをまだ見ていない方は、まずはご覧ください。

監督|柴田将利(しばた まさとし)
脚本|小鶴乃哩子(こづる のりこ)

人物設定

藤川千愛(役名 柊かすみ)

歌手になることだけを目標に生きてきたけれど、苦労している母、小さな弟がいるのに、自分だけ好きなことをやり続けてよいのかと悩む大学三年生。

宮内凛

緑豊かな郊外にある女子高の三年生。臨時教員としてやってきた先生に恋をし、秘密を親友にだけ打ち明けるが・・・

深瀬美桜

インターハイ出場に向けて、バスケットに打ち込む女子高生。そんなある日の練習中に・・・

松下玲緒菜

下町にある家族経営の居酒屋の一人娘。いつものように店の手伝いをしていると、母親が急に倒れてしまう。医者に呼び出され父親と共に話を聞くと・・・

中川美優

孤独を抱え生きている女の子。友達もいない。両親に愛されていないと感じ、家にいると居心地が悪い。

MV解説

プロローグ

曲に入る前にそれぞれの状況説明があります。歌手になることの夢をあきらめないまま就職活動をする藤川千愛、教員と秘密の恋愛をする宮内凛、インターハイに向け必死に練習する深瀬美桜、倒れた母を看病する松下玲緒菜、孤独に一人で歩く中川美優。

そして藤川千愛のセリフが入ります。「夢なんて見たくない。期待しなければ苦しくないから。生きるって、痛い。どうして?こんなにも痛いんだろう。」

イントロ

曲は藤川千愛の歌唱シーンで始まります。5人の状況説明を表わす映像が続きます。

Aメロ・Bメロ

松下玲緒菜と父が医者の話を聞くシーンに変わります。命があとわずかであることが宣告されたのでしょう。中川美優は大学でも友達がいなく、1人でいる様子が描かれています。宮内凛は廊下ですれ違った先生とこっそり手を触りあう様子が描かれています。

サビ

歌唱シーンが松下玲緒菜→中川美優→宮内凛→深瀬美桜→藤川千愛と続きます。

その後、藤川千愛の面接シーンが映し出されます。うまく伝えられなかったのでしょう。面接官の眉間にしわが寄っています。深瀬美桜の歌唱シーンを挟んだ後、うなだれながら小学校の文集を見る藤川千愛が映し出されます。「わたしの夢」と題された作文には、「歌手になるのが夢です。」と書かれています。

間奏

深瀬美桜は仲が良いであろうバスケのチームメートと喜び合います。中川美優は1人で夜のクラブをたむろします。

Aメロ・Bメロ

深瀬美桜に悲劇が訪れます。先ほどの仲が良いであろうチームメートとの接触でケガをしてしまいます。呆然とするチームメートと痛々しい深瀬美桜が映し出されています。

松下玲緒菜は父と病気の母の3人で家族写真を撮っています。おそらく、母が亡くなる最期に記念写真を撮っているのでしょう。

再び深瀬美桜のシーンです。ギブスをつけながら練習するも、思い通りにいかず悔しがる様子が映し出されています。

次に宮内凛に悲劇が起こります。先生との恋愛が発覚し、黒板一面に宮内凛への悪口が書かれ、クラスメートにこそこそ笑われます。

この後登場する藤川千愛の歌唱シーン「生きるって痛いんだね。生きるって痛いんだね。」が心に刺さります。

Cメロ

藤川千愛に内定通知書が届きます。しかし、躊躇なく破り捨てる様子が映し出されています。歌手になることの夢を選択したのでしょう。この決意が冒頭の母親からの電話によるものなのかははっきりしません。

松下玲緒菜は、父、医者、看護師とともに、母の最期を見届けます。松下玲緒菜の号泣する姿に心が打たれます。

宮内凛は先生を追いかけますが、突き放されてしまいます。

間奏

翌日自宅に戻った中川美優は父に思いっきりビンタをされます。孤独と戦っていたことを知った父は娘(中川美優)を抱きしめます。

深瀬美桜はケガをさせたチームメートと夜の公園のブランコで語り合い、チームメートが泣き出す様子が映し出されています。

宮内凛は学校の屋上で一人泣き出します。

大サビ

バスケのシーンが入ります。深瀬美桜がベンチで応援する中、残り時間わずかでケガをさせたチームメートがシュートします。

松下玲緒菜のシーンが入ります。生前に撮った母の動画を見て泣き出します。母は娘への感謝の気持ちを伝えていたのでしょうか。

再びバスケのシーンに戻ります。先ほどのシュートは見事にゴールし、ケガをさせたチームメートは一目散に深瀬美桜のもとへ駆け寄ります。2人で泣きながら喜び合う様子が映し出されています。

後奏

中川美優は家族に見守られながら家を出ていきます。

宮内凛は空を見上げます。吹っ切れたのでしょうか。

再び中川美優のシーンです。雨が降っていたようで、両親が傘を走って持ってきます。家族に愛されていることを中川美優は実感したのでしょう。

藤川千愛は歌手になることを目指し、レッスン教室の門を叩きます。

最後に5人が屋上から夕陽を眺めるシーンが映し出され曲が終わります。

感想

『タイムマシン』『どうでもいいや』に続きストーリー仕立てのMVでした。まねきケチャは楽曲のみならずMVも完成度が高いといえます。それぞれの人生が端的に表現されているため、感情移入するシーンがあったかもしれません。私事にはなりますが、1年前に父を亡くした経験から、松下玲緒菜のシーンに涙を流してしまいました。

Twitter上でも感動した旨のツイートが多くみられました。映像上の演出もあるとは思いますが、メンバーの演技力が高いことが一番の要因だと思います。改めてまねきケチャのポテンシャルの高さを感じました。

当方のスタンスとして、まねきケチャは「アイドル」ではなく「アーティスト」であると見ています。「アーティスト」といっても単に「歌手」に限定するものではなく、芸術全般に及ぶものであると考えています。ライブで魅了する「歌唱力」「ダンス」「表情」「衣装」「モニター映像」、CDジャケット、そしてMVなど、さまざまな表現媒体が総合されて「まねきケチャ」が成り立っていると思うのです。

アイドルという範疇にくくられると、どうしてもビジュアルや接触イベントでの対応に重点が置かれてしまいますが、まねきケチャのポテンシャルを鑑みると、それだけに注目するのは非常にもったいないことです。アイドルを軸とした「総合芸術」を武器に、ぜひ一般層へのアプローチを図っていってもらいたいものです。

現在のまねきケチャと照らし合わせて

『あたしの残りぜんぶあげる』の楽曲が披露されたのは、12月24日のライブでした。また、このMVが撮影されたのは、3月12日の週であることが、3月17日(土)に行われたリイリベのMCで明らかになっています。18日(日)が深瀬美桜生誕祭で、20日(火)が藤川千愛の活動休止の発表日です。

楽曲発表、MV撮影、ジャケット写真撮影は全てまねきケチャが「通常営業」だったころに行われています。

MV冒頭、「夢なんて見たくない。期待しなければ苦しくないから。生きるって、痛い。どうして?こんなにも痛いんだろう。」と苦しそうに言う藤川千愛の声が、どうしても現在置かれた藤川千愛の言葉に通じてしまうとの意見がTwitter上に多く見られました。もちろん関係はありませんが、複雑な気持ちになってしまうのは致し方ないことでしょう。

まねきケチャは5人そろってはじめて「総合芸術」の表現者となります。正直、3月29日(木)に行われた3人でのリリイベは、表現者としての「まねきケチャ」ではありませんでした。

まねきケチャ|20180329_リリイベ@TSUTAYA池袋レポ

あくまでも売上のために営業するアイドルに過ぎませんでした。短期的には致し方ないのかもしれませんが、長期的に見ると、今の活動方針には疑問が生じます。

せっかくここまで完成度の高いMVを作れるのですから、仕事の幅を含めて、単なるライブアイドルからの脱却も視野に考えていかなくてはならないのでしょうか。