勉強方法

選択式(択一式)問題の勉強方法

選択肢

このページでは、選択式(択一式)問題の勉強方法を解説します。国内旅行業務取扱管理者試験以外でも使えるテクニックが満載です。

国内旅行業務取扱管理者試験を独学で合格するための勉強方法や参考書の紹介はこちらのページをご覧ください。

用語を完璧に覚える必要はない

選択式(択一式)問題は記述式と異なり、記号で解答するため、用語を正確に覚える必要はありません。そのため、暗記する際も、細かく覚える必要はなく、大体の雰囲気さえ覚えておけば問題ありません。例えば、「受託旅行業者代理業者」という用語を覚えるとき、「受託旅行業代理業者」と覚えても全く問題ありません。むしろ、「受託」と「代理業者」がつく用語とさえ覚えていれば試験に対応できます。

用語を完璧に覚える必要がないということは、語呂合わせが非常に有効ということです。語呂合わせは用語の一部を利用して覚えるため、用語を完璧に覚えなくても正答に結び付けることができるのです。なお、語呂合わせは、「数字」、「項目数が決まっているもの」に有用とされています。例えば、旅行業法では、営業保証金や基準資産額で数字を覚える必要がありますが、計算によって求まる数字ではないため、完全に暗記となります。この場合、語呂合わせで覚えた方がより忘れにくく、かつ、間違えにくくなりなります。また、広告の表示事項(8項目)など、項目数が決まっているものについては、頭文字を語呂合わせで覚えておくと、漏れがなくなります。

教科書→問題集ではなく、問題集→教科書

学校教育では、教科書で学習することが目的であり、理解度を確認するための手段としてテストをします。一方で、資格試験では試験に合格することが目的であり、その手段として教科書を利用します。したがって、資格試験では、問題集を基本とし、分からない部分を教科書で確認することになります。

ここからは具体的な学習方法を提案します。選択式(択一式)問題を採用する全ての資格試験に有効な方法です。

1周目
教科書の目次で学習範囲を確認

単元ごとに教科書のページの分量を確認

1周目は試験範囲の確認単元ごとの分量の確認です。試験の全体像を把握するのが目的です。例えば、国内旅行業務取扱管理者試験では、旅行業法、標準旅行業約款・運送・宿泊約款、国内旅行実務がありますが、教科書の分量では旅行業法が最も少なく、標準旅行業約款・運送・宿泊約款と国内旅行実務のボリュームが多いことが分かります。また、国内旅行業務ではJRの運賃計算に多くのページが費やされていることも分かります。

2周目
教科書で概要を理解する(暗記はしない)

問題集の設問と解答を確認する(解答しない)

問題集で問われた部分を再度教科書で確認する

単元ごとに上記の作業を行います。2周目の時点では暗記しません。ここで無理に暗記しようとすると挫折する可能性が高くなります。ここでは、今後は何を暗記すべきかを確認する程度にとどめ、すぐに問題集に進みます。もちろん問題を解くわけではありません。設問と解答を見比べ、解答するための考え方引っ掛けるポイントを確認するだけです。その後、問題集で問われた部分を再度教科書で確認します。今後暗記すべき事項が明確になります。なお、この時点でもまだ暗記はしません

3周目
問題集を解く

問題集で問われた部分を教科書で暗記する

再度問題集を解く

同じく単元ごとに上記の作業を行います。3週目で初めて問題集を解きます。2周目で解き方を覚えたため、少しは解答できるようになっているはずです。ただし、2周目までで暗記はしていないため解けなくて当たり前です。問題集を解いた後、問題集で問われた部分のみ教科書を暗記します。これにより問題集が解けるようになります。

4周目
問題集の設問中、誤っている部分に下線を引く

誤っている部分について正しい内容を言えるようにする

同じく単元ごとに上記の作業を行います。下線を引くことで、引っ掛けポイントのみを視覚化することができるため、設問全体を読む必要がなくなり時間短縮につながります。4周目終了時で問題集が完璧に解ける状態にします。

5周目
教科書を始めから読み、論点を整理する

問題集で拾えていない部分を暗記する

理解して覚えられない部分を語呂合わせで無理やり暗記する

5周目は仕上げです。4周目までで合格することも可能です。5周目時点で覚えていない部分は教科書に印や付箋をつけ、試験当日までに重点的に見るようにします。また、どうしても覚えられない項目は自分なりに語呂合わせを作り無理やり暗記します。

問い方は4種類

国内旅行業務取扱管理者試験では、大きく分けて4種類の問い方があります。

正しいものを選択する問題

最も一般的な設問で、誤りの選択肢について誤っている部分を指摘していき、消去法により正解の選択肢を導きます。以下の出題例では、下線が誤っている部分です。過去問を通して、誤りのパターンを覚えるのが近道です。また、教科書で覚える場合も、いかにも引っ掛けやすそうな部分を意識すると効率的です。

出題例変更登録等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
ア 第1種旅行業者は、その営業所において選任している旅行業務取扱管理者の氏名について変更があったときは、その日から30日以内に、国土交通省令で定める書類を添付して、その旨を観光庁長官に届け出なければならない。
イ 第1種旅行業者が法人である場合、その代表者の氏名に変更があったときは、その日から30日以内に、国土交通省令で定める書類を添付して、その旨を観光庁長官に届け出なければならない。
ウ 第1種旅行業者は、業務の範囲を第3種旅行業へ変更しようとするときは、観光庁長官に変更登録申請書を提出しなければならない。
エ 第3種旅行業を営もうとする旅行業者代理業者は、その主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に変更登録申請書を提出しなければならない

誤ったものを選択する問題

今度は反対に誤りの選択肢のみを解答します。同じく誤りの選択肢について誤っている部分を指摘します。消去法が使えないため、正しいものを選択する問題より難易度は高めです。以下の出題例では、下線が誤っている部分です。

出題例法第2条 定義に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
ア 報酬を得て、旅行者のため、運送等サービスの提供を受けることについて、代理して契約を締結し、媒介をし、又は取次ぎをする行為を行う事業は、旅行業に該当する。
イ 報酬を得て、専ら運送サービスを提供する者のため、旅行者に対する運送サービスの提供について、代理して契約を締結する行為を行う事業は、旅行業に該当しない。
ウ 報酬を得て、旅行業を営む者のため、運送等サービスを提供する者と契約を締結する行為を行う事業は、旅行業に該当しない。
エ 報酬を得て、旅行に関する相談に応ずる行為を行う事業は、旅行業に該当しない。

正しいものをすべて選択する問題

今度は正しい選択肢がいくつあるか分からない問題です。同じく誤りの選択肢について誤っている部分を指摘します。誤っている選択肢がいくつあるか分からないため、難易度は最も高めです。以下の出題例では、下線が誤っている部分です。

出題例旅行業等の登録に関する次の記述から、正しいもののみをすべて選んでいるものはどれか。
a 第2種旅行業の新規登録の申請をしようとする者は、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に新規登録申請書を提出しなければならない。
b 第1種旅行業の新規登録又は更新登録を受けようとする者は、事業の経営上使用する商号があるときは、その商号を記載した申請書を観光庁長官に提出しなければならない。
c 地域限定旅行業の登録の有効期間は、登録の日の翌日から起算して 5年である。
d 第3種旅行業者が新たに旅行業者代理業を営もうとする者にその旅行業務を取り扱わせるときは、当該旅行業者代理業を営もうとする者の氏名又は名称を記載した申請書を観光庁長官に提出しなければならない。
ア a,b
イ c,d
ウ a,b,c
エ a,b,c,d

空欄補充問題

法律の条文などの空欄を補充する問題です。誤っている空欄を消去していき、残った選択肢が正答となります。

出題例誇大広告の禁止に関する法第12条の8の規定について、□の中に入る語句の組合せで正しいものはどれか。
法第12条の8
①は、②について広告をするときは、広告された旅行に関するサービスの内容その他の国土交通省令・内閣府令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を③ような表示をしてはならない。
ア ①旅行業者  ②企画旅行 ③誤認させる
イ ①旅行業者等 ②旅行業務 ③誤認させる
ウ ①旅行業者  ②旅行業務 ③誘引する
エ ①旅行業者等 ②企画旅行 ③誘引する

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