戸籍の取り方とたどり方|具体例で解説

公的手続き

戸籍の取り方とたどり方|具体例で解説

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申請方法

申請先

各市区町村役場の住民記録担当課(市民課、区民課など)

支所、自動交付機、コンビニで取得できる市区町村もあります。コンビニの場合は、あらかじめ窓口で登録する必要があります。

郵送による申請も可能です。郵送の場合、手数料は郵便局の為替窓口で購入する「定額小為替証書」を同封することにより支払います。また、返信用封筒として、切手を貼り付けた封筒を同封します。

主な必要書類

  • 手数料(500円程度)
    ※郵送の場合は定額小為替証書
  • 本人確認書類(運転免許証、保険証など)
  • 委任状(本人以外の者が請求する場合)
    ※同居の親族であれば不要とする市区町村もあります。

戸籍の主な種類

名称 内容
戸籍全部事項証明書(戸籍謄本) 戸籍に記載されている全部の者を証明するもの
戸籍個人事項証明書(戸籍抄本) 戸籍内の一部の者を証明するもの
戸籍一部事項証明書 戸籍内の一部の事項(出生・婚姻等)を証明するもの
除籍全部事項証明書(除籍謄本) 戸籍に記載されている全部の者が除籍されていることを証明するもの
除籍個人事項証明書(除籍抄本) 除籍内の一部の者を証明するもの
除籍一部事項証明書 除籍内の一部の事項(出生・婚姻等)を証明するもの
改製原戸籍謄本 編製様式が改められる前の戸籍内の全部の者を証明するもの
改製原戸籍抄本 改製原戸籍内の一部の者を証明するもの
戸籍の附票 戸籍が編製されてからの住民登録の履歴を証明するもの
身分証明書 禁治産・準禁治産・破産宣告・後見の登記の通知の有無について証明するもの
受理証明書 戸籍の届出が受理されたことを証明するもの
届書記載事項証明書 戸籍の届書に記載されている内容を証明するもの
不在籍証明書 本籍地番に戸籍がないことを証明するもの

戸籍とは

戸籍とは、親族関係を公に証明する書類で、夫婦及びこれと氏を同じくする子ごとに編製され、正本は市区町村に、副本は法務局に保管されています。戸籍法が制定されたのは明治7年で、初めて近代的な戸籍が編製されました(壬申戸籍)。当時は犯罪履歴や旧身分(穢多、非人)が記載されているため、法務局の倉庫に保管されており、一般には公開されていません。現在公開対象となっている最古の戸籍は、明治19年式とされています。

明治7年式は戸単位でしたが、明治31年式から家単位、昭和23年式から夫婦単位となりました。それに伴い、昭和23年戸籍法改正により、先頭に記載される者が「戸主」から「筆頭者」に変更されました。

謄本と抄本

「謄本」とは「原本の内容をそのまま全部写しとったもの」、「抄本」とは「 原本である書類の一部を抜書きにしたもの」を意味します。戸籍に記載されている全部の者を証明するものを「謄本」、一部のものを証明するものを「抄本」といいます。抄本を取得する場合は、提出先に抄本で問題ないか確認した方が無難です。

除籍

除籍とは、死亡、離婚などの理由により戸籍から除かれたことを証明するものです。死亡・離婚前の親族関係を証明します。

改製原戸籍

改製原戸籍とは、戸籍法の改正に伴い戸籍を新しく編製した場合における、編製前の戸籍をいいます。昭和22年司法省訓令、昭和32年法務省令、平成6年法務省令(電算化を行った市区町村のみ)に戸籍が新しく編製されたため、戸籍をたどる場合は改製前の戸籍である改製原戸籍を取得する必要があります。

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戸籍のたどり方

金融資産や不動産を相続する際、被相続人(死亡した者)の生まれたときから死亡したときまでの戸籍を金融機関などに提出する必要があります。これは全ての相続人を特定するために提出するもので、金融機関などが、一部の相続人にしか金融資産を移転しないようにするものです。

(具体例)田中花子の生まれたときから死亡したときまでの戸籍

昭和10年4月1日 佐藤一郎と佐藤やす子との間に次女として出生
長女は佐藤富子(佐藤花子の姉)
昭和35年6月1日 木村和男と婚姻(木村花子に改姓)
昭和38年8月1日 木村和男との間に良太(長男)が出生
昭和40年12月31日 木村和男と離婚(佐藤花子に改姓)
昭和42年10月1日 田中史郎と婚姻(田中花子に改姓)
昭和45年3月1日 田中史郎との間に玲子(長女)が出生
平成5年6月1日 田中玲子が婚姻
平成30年3月31日 田中花子が死亡

上記の例において、田中花子の戸籍を取得しようとすると、筆頭者である田中史郎の戸籍を取得することになります。ここでは、夫(田中史郎)子(玲子)父(佐藤一郎)母(佐藤やす子)の存在が分かります。また、この戸籍では婚姻前の状況は分かりません。

全部事項証明
本籍
氏名
東京都〇〇市〇〇
田中 史郎
戸籍事項
戸籍編製
[改製日]平成18年1月1日
[改製事由]平成6年法務省令第51号附則第2条第1項による改製
戸籍に記載されている者 [名]史郎
[生年月日]昭和〇〇年〇月〇日
[父]田中 〇〇
[母]田中 〇〇
[続柄]長男
身分事項
出生婚姻
[出生日]昭和〇〇年〇月〇日
[出生地]東京都〇〇市
[届出日]昭和〇〇年〇月〇日
[届出人]父
[婚姻日]平成42年10月1日
[配偶者氏名]田中 花子
[従前戸籍]東京都〇〇市〇〇 田中 〇〇
戸籍に記載されている者除籍 [名]花子
[生年月日]昭和10年4月1日
[父]佐藤 一郎
[母]佐藤 やす子
[続柄]次女
身分事項
出生婚姻死亡
[出生日]昭和10年4月1日
[出生地]千葉県〇〇市
[届出日]昭和〇〇年〇〇月〇日
[届出人]父
[婚姻日]昭和42年10月1日
[配偶者氏名]田中 花子
[従前戸籍]千葉県〇〇市〇〇 佐藤 一郎
[死亡日]平成30年3月31日
[死亡時分]午後〇〇時〇〇分
[死亡地]東京都〇〇市
戸籍に記載されている者除籍 [名]玲子
[生年月日]昭和45年3月1日
[父]田中 史郎
[母]田中 花子
[続柄]長女
身分事項
出生婚姻
[出生日]昭和45年3月1日
[出生地]東京都〇〇市
[届出日]昭和〇〇年〇月〇日
[届出人]父
[婚姻日]平成5年6月1日
[配偶者氏名]〇〇 〇〇

次に、通常は婚姻前の戸籍を取得するのですが、「平成6年法務省令第51号附則第2条第1項による改製」とあるため、改製前の戸籍である改製原戸籍を取得することになります。

改製原戸籍
平成六年法務省令五一号附則第二条第一項による改製につき平成拾八年壱月壱日消除
本籍
氏名
東京都〇〇市〇〇
田中 史郎

田中 〇〇
田中 〇〇
長男 昭和〇〇年〇〇月〇〇日東京都〇〇市で出生父〇〇届出同月〇〇日受附入籍 印
田中 史郎
出生 昭和〇〇年〇〇月〇〇日

佐藤 一郎
佐藤 やす子
次女 昭和拾年四月壱日千葉県〇〇市で出生父佐藤一郎届出同月〇〇日受附入籍 印
昭和四拾弐年拾月壱日田中史郎と婚姻届出千葉県〇〇市〇〇佐藤一郎戸籍から入籍 印
田中 花子
出生 昭和拾年四月壱日
父母 田中 史郎
田中 花子
長女 昭和四拾五年参月壱日東京都〇〇市で出生父田中史郎届出同月〇〇日受附入籍 印
長女 田中 玲子
出生 昭和四拾五年参月一日

冒頭で「平成六年法務省令五一号附則第二条第一項による改製につき平成拾八年壱月壱日消除」とあるため、上の全部事項証明書にある「平成6年法務省令第51号附則第2条第1項による改製」につながります。

次に、田中花子の欄に「千葉県〇〇市〇〇佐藤一郎戸籍から入籍」とあるため、千葉県〇〇市役所に佐藤一郎の戸籍(除籍)を請求します。父の佐藤一郎は明らかに死亡している年齢のため、ここでは除籍を請求することになります。

除籍
本籍
氏名
千葉県〇〇市〇〇
佐藤 一郎
昭和参拾弐年法務省令弐拾七号により昭和参拾参年四月弐拾五日本戸籍改製 印
全員除籍につき昭和〇〇年〇〇月〇〇日 消除

佐藤 〇〇
佐藤 〇〇
長男 明治〇〇年〇〇月〇〇日千葉県〇〇市で出生父〇〇届出同月〇〇日受附入籍 印
佐藤やす子と婚姻届出昭和〇〇年〇〇月〇〇日 印
千葉県〇〇市〇〇佐藤〇〇戸籍より入籍 印
昭和〇〇年〇〇月〇〇日午後〇〇時〇〇分〇〇市で死亡同居の親族〇〇届出同日受付除籍
佐藤 一郎
出生 明治〇〇年〇〇月〇〇日

斎藤 〇〇
斎藤 〇〇
参女 明治〇〇年〇〇月〇〇日千葉県〇〇市で出生父〇〇届出同月〇〇日受附入籍 印
佐藤一郎と婚姻届出昭和〇〇年〇〇月〇〇日茨城県〇〇市〇〇斎藤〇〇戸籍より入籍 印
昭和〇〇年〇〇月〇〇日午後〇〇時〇〇分〇〇市で死亡同居の親族〇〇届出同日受付除籍 印
佐藤 やす子
出生 明治〇〇年〇〇月〇〇日

佐藤 一郎
佐藤 やす子
長女 昭和〇〇年〇〇月〇〇日千葉県〇〇市で出生父佐藤一郎届出同月〇〇日受附入籍 印
昭和〇〇年〇〇月〇〇日〇〇と婚姻届出同月〇〇日栃木県〇〇市〇〇に夫の氏の新戸籍編製につき除籍 印
長女 佐藤 富子
出生 昭和〇〇年〇〇月〇〇日

佐藤 一郎
佐藤 やす子
次女 昭和拾年四月壱日千葉県〇〇市で出生父佐藤一郎届出同月〇〇日受附入籍 印
昭和参拾五年六月壱日木村和男と婚姻届出同月〇〇日埼玉県〇〇市〇〇に夫の氏の新戸籍編製につき除籍 印
長女 佐藤 花子
出生 昭和拾年四月壱日

佐藤 一郎
佐藤 やす子
長女 昭和〇〇年〇〇月〇〇日千葉県〇〇市で出生父佐藤一郎届出同月〇〇日受附入籍 印
夫木村和男と協議離婚届出昭和四拾年壱拾弐月参拾壱日埼玉県〇〇市長受付昭和四拾壱年壱月五日送付復籍
田中史郎と婚姻夫の氏を称する旨届出昭和四拾弐年拾月壱日〇〇市長受付同月十日送付千葉県〇〇市に新戸籍編製につき除籍
長女 佐藤 花子
出生 昭和拾年四月壱日

一番下の佐藤花子の欄で、田中史郎と婚姻した旨の記載があり、田中史郎の改製原戸籍につながります。その上に木村和男と離婚した旨の記載があり、一つ上の佐藤花子の欄で木村和男と婚姻した旨の記載があります。つまり、木村和男と婚姻した後に離婚したことが分かりましたので、埼玉県〇〇市に木村和男の戸籍または除籍を請求することになります。

なお、冒頭で「昭和参拾弐年法務省令弐拾七号により昭和参拾参年四月弐拾五日本戸籍改製」とありますが、佐藤花子の欄に「昭和参拾五年六月壱日木村和男と婚姻届出同月〇〇日埼玉県〇〇市〇〇に夫の氏の新戸籍編製につき除籍」とあるため、まずは木村和男の戸籍から見ていくことになります。

また、今回の除籍を取得したことで、姉(富子)の存在が分かりました。

除籍
本籍
氏名
埼玉県〇〇市〇〇
木村 和男
婚姻の届出により昭和参拾五年六月壱日夫婦につき本戸籍編製

木村 〇〇
木村 〇〇
長男 昭和〇〇年〇〇月〇〇日埼玉県〇〇市で出生父〇〇届出同月〇〇日受附入籍 印
佐藤花子と婚姻届出昭和参拾五年六月壱日 印
妻花子と協議離婚届出昭和四拾年壱拾弐月参拾壱日受付 印
平成六年法務省令五一号附則第二条第一項による改製につき平成拾八年壱月壱日消除 印
木村 和男
出生 昭和〇〇年〇〇月〇〇日

佐藤 一郎
佐藤 やす子
次女 明治〇〇年〇〇月〇〇日千葉県〇〇市で出生父〇〇届出同月〇〇日受附入籍 印
昭和昭和参拾五年六月壱日木村和男と婚姻届出千葉県〇〇市〇〇佐藤一郎戸籍から入籍 印
昭和四拾年壱拾弐月参拾壱日夫和男と協議離婚届出復権につき除籍
木村 花子
出生 昭和拾年四月壱日

木村 和男
木村 花子
長男 昭和参拾八年八月壱日埼玉県〇〇市で出生父木村和男届出同月〇〇日受附入籍 印
昭和四拾年壱拾弐月参拾壱日父母協議離婚親権者を父和男と定める旨届出 印
平成六年法務省令五一号附則第二条第一項による改製につき平成拾八年壱月壱日消除 印
長男 木村 良太
出生 昭和参拾八年八月壱日

木村花子の欄に佐藤一郎の戸籍から昭和35年に入籍し、昭和40年に復籍したことが分かり、先ほどの佐藤一郎の除籍とつながります。

この間、木村和男と木村花子との間に良太が出生していることから、花子の子に良太が存在することが初めて分かりました

次に復籍した先の佐藤一郎の除籍(上に掲載した除籍)に戻ります。

下から2つ目の佐藤花子の欄に昭和35年に木村和男と婚姻したことにより除籍した旨が記載されているため、木村和男の除籍とつながります。

そして、佐藤一郎の除籍の冒頭で、「昭和参拾弐年法務省令弐拾七号により昭和参拾参年四月弐拾五日本戸籍改製」とあるため、昭和32年に改製される前の戸籍(改製原戸籍)を取得する必要があります。

改製原戸籍
本籍
前戸主
千葉県〇〇市〇〇
亡 佐藤 〇〇
前戸主との続柄 次男

亡佐藤 〇〇
〇〇
長男 前戸籍により出生の場所届出人の資格氏名届出受付年月日不詳につき記載省略
佐藤やす子と婚姻届出昭和〇〇年〇〇月〇〇日 印
昭和参拾弐年法務省令第弐拾七号により昭和参拾参年四月弐拾五日本戸籍改製
戸主 佐藤 一郎
出生 明治〇〇年〇〇月〇〇日

斎藤 〇〇
斎藤 〇〇
参女 茨城県〇〇市〇〇斎藤〇〇参女昭和〇〇年〇〇月〇〇日佐藤一郎と婚姻届出同日入籍 印
昭和参拾弐年法務省令第弐拾七号により昭和参拾参年四月弐拾五日本戸籍改製
佐藤 やす子
出生 明治〇〇年〇〇月〇〇日

佐藤 一郎
佐藤 やす子
長女 本籍において出生父佐藤一郎届出昭和〇〇年〇〇月〇〇日受付入籍
昭和参拾弐年法務省令第弐拾七号により昭和参拾参年四月弐拾五日本戸籍改製
長女 佐藤 富子
出生 昭和〇〇年〇〇月〇〇日

佐藤 一郎
佐藤 やす子
次女 本籍において出生父佐藤一郎届出昭和拾年四月壱日受付入籍
昭和参拾弐年法務省令第弐拾七号により昭和参拾参年四月弐拾五日本戸籍改製
長女 佐藤 花子
出生 昭和拾年四月壱日

家単位の戸籍であるため、先頭の者が「戸主」となっています。佐藤花子の欄に「昭和参拾弐年法務省令第弐拾七号により昭和参拾参年四月弐拾五日本戸籍改製」とあるため、改製後の除籍につながります。

本籍において出生父佐藤一郎届出昭和拾年四月壱日受付入籍」から昭和33年の改製までの間に改製が行われている記載がありませんので、これが佐藤花子の出生時の戸籍となります。

この結果、花子の親族は、次の通りであることが判明しました。

田中史郎 生存
佐藤一郎 死亡
佐藤やす子 死亡
佐藤富子 不明
木村良太 不明
田中玲子 生存

以上から法定相続人は夫(田中史郎)と子(木村良太・田中玲子)の3人であることが分かりました。なお、木村良太が生存しているかどうか確認するため、上記のほか、平成六年法務省令五一号附則第二条第一項による改製以降の戸籍の提出を求められる可能性があります。