常磐線|上野~富岡 乗車レポート

旅行

常磐線|上野~富岡 乗車レポート

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8時45分上野発 普通勝田行き

上野駅から旅は始まります。

常磐線

▲10番ホームに入線したE531系の電車。折り返しのため乗客を降ろした。

常磐線普通列車は取手まで快速運転を行います。停車駅は、日暮里、三河島、南千住、北千住、松戸、柏、我孫子、天王台、取手と、取手からの各駅です。日暮里を過ぎると山手線に別れを告げ、進路を東に向けます。南千住では右手に東京スカイツリーを眺めることができます。高架駅の南千住駅は、すぐ隣に同じく高架駅の東京メトロ日比谷線の南千住駅があります。高架を走る東武動物公園行きの日比谷線を眺めながら、墨田川を渡り、電車は北千住に到着します。北千住は常磐線のほか、東武スカイツリーライン、日比谷線、半蔵門線、つくばエキスプレスが通る足立区のターミナル駅です。

北千住を過ぎると、左手に常磐線各駅停車が並走します。直通する東京メトロ千代田線や小田急電鉄の車両が走り、見てて飽きません。北綾瀬駅に向かう千代田線を横目に、電車は葛飾区を駆け抜けます。「こち亀」で有名な亀有駅を通りすぎると中川を渡ります。墨田川、荒川、中川、江戸川と立て続けに河川を渡ると、千葉県に入ります。上野駅からたった17分で東京都脱出です。松戸到着は9時6分でした。

常磐線

▲車内の様子

ピンクの車体がまぶしい新京成線の車両を見ながら電車は柏へ向かいます。このあたりはまだ住宅街ですが、高層の建物は徐々に少なくなってきます。武蔵野線が上を通る新松戸を過ぎると、緑が増えてきます。北小金駅に停車している「常磐線各駅停車我孫子」と表示された小田急電鉄の車両を追い越すと、まもなく東武アーバンパークライン(野田線)が姿を現し、柏に到着します。

柏を過ぎるとまもなく我孫子に到着します。我孫子到着は9時19分でした。我孫子では特急の通過待ちのため5分停車しました。我孫子からは成田線に乗り換えることができます。我孫子の操車場を過ぎると天王台に到着します。このあたりまでくると駅前の規模が小さくなってきます。天王台を過ぎると、電車は大きく左に曲がり、利根川の橋梁へ向かいます。利根川を渡ると茨城県に入ります。28分間で千葉県脱出です。ここから常磐線のメイン、茨城県です。まずは取手。常磐線各駅停車の終点で、複々線はここまでです。

左手に関東鉄道を見ながら列車は北上します。取手を過ぎると景色が一変し、広大な田んぼが広がります。田んぼの先には雄大な筑波山を望みます。利根川がもたらした関東平野です。取手の隣駅の藤代まで来ると、ローカル駅の様相を見せ始めます。小貝川を渡ると佐貫に到着します。佐貫からは関東鉄道竜ケ崎線が接続しています。「牛久大仏」で有名な牛久を過ぎると、圏央道をくぐり、ひたち野うしくに到着します。「常磐線全列車を東京駅・品川駅へ」と書かれた看板を見ながら、電車は再び田畑のなかを走っていきます。このあたりまでくると筑波山の姿がはっきりと見えてきます。荒川沖を過ぎると土浦に到着します。土浦駅に近づくと急に高い建物が現れ、その後ろには目の前に迫った筑波山が見えます。土浦到着は9時56分でした。土浦では前5両の切り離しを行うため、7分停車しました。

土浦を過ぎると一気に緑が多くなります。高浜は田んぼの中にあるような駅です。途中、羽鳥では特急の通過待ちで8分停車しました。駅前以外は田畑が広がる光景の中、電車は水戸へと向かいます。また、この辺りまで来ると関東平野も終わりを告げ、左手に山が広がるようになります。北関東道をくぐると、水戸線との乗り換え駅、友部に到着します。友部到着は10時42分でした。水戸線へ乗り換える客が下車する中、上野駅出発から2時間が経過しました。内原、赤塚を過ぎ、右手に偕楽園、左手に偕楽園の臨時駅を眺めると、商業施設が林立する水戸に到着します。駅手前の操車場には、水郡線のカラフルな列車が並んでいます。水戸到着は10時58分でした。この電車は次の駅の勝田行きですが、次に乗車するいわき行きは水戸始発のため、水戸で乗り換えます。

常磐線

▲土浦を過ぎると緑が本格化する。

11時10分水戸発 普通いわき行き

勝田行きが到着した向かい側のホームにすでにいわき行きが停車していました。5両編成の短い車両で、前方がボックスシート、後方がロングシートです。この先右手に海が広がりますので、右側のボックスシートに座りました。2番ホームには水郡線が発車を待っています。11時10分に水戸を発車しました。いわき到着12時37分までの約1時間半の旅です。水戸出発後、那珂川を渡ります。すぐに勝田に到着しました。勝田では先ほど乗車していた電車が上野行きに変わり、今来た線路を戻っていきました。勝田で先ほどの電車から乗り換えてきた客が乗車し、車内の席は埋まりました。勝田、佐和を過ぎると、原子力発電の村、東海の到着します。東海は住宅が建ち並び、多くの客が降りていきました。右手には遠くに日本原子力発電株式会社の原子力発電施設が見えます。次の大甕(おおみか)にかけても住宅が建ち並び、大甕でも多くの客が降りていきました。このあたりから日立製作所関連の施設が散見するようになります。また、風力発電も見られるようになり、海に近づいてきています。次の常陸多賀(ひたちたが)に到着する直前、一瞬だけ海を眺めることができます。常陸多賀の先には日立製作所の工場に向かう引き込み線があります。次は日立製作所の本拠地、日立です。左手には日立製作所の関連施設、右手には海が見えます。日立周辺は上野を出発して初めて海を眺めることができるスポットです。日立到着は11時40分でした。

日立を過ぎても、山と海の間の狭い地域に建物がひしめき合っています。まさに、この地域は日立製作所の城下町といえます。小木津~十王間で上野発車から3時間が経過しました。十王の次は高萩です。高萩まで来ると茨城県の旅も終盤を迎えます。高萩到着は11時54分でした。操車場があるため終点となることが多い高萩ですが、駅前はそこまで栄えていません。南中郷、磯原、大津港と、北茨城市を電車は通ります。各駅で客が降りていき、徐々に車内が空いていきます。いわきに向かう人は少ないようです。北茨城市もまた、津波の被害を受けました。堤防を造成する光景が車窓からも確認できました。海、国道6号線、常磐線の順に並んで電車は北上します。大津港は茨城県最後の駅です。

上野出発から3時間25分経過しました。長かった茨城県に別れを告げ、電車は勿来第一トンネルを抜け、ついに福島県に入ります。右手には広大な海が広がります。福島県最初の駅、勿来(なこそ)に到着です。勿来到着は12時11分でした。次の植田では右手に火力発電所を見ることができます。古くからの駅前商店街も車窓から見えます。植田の次は泉です。泉からは小名浜港へバスで向かうことができます。泉の次は湯本です。湯本温泉はハワイアンズ(旧常磐ハワイアンセンター)が有名です。ただ、さすがに普通列車で行く人は少なく、観光客はほとんどいませんでした。住宅の広がる内郷を過ぎると終点いわきに到着です。いわき到着は12時37分でした。

常磐線

▲いわきに到着。

常磐線

▲いわきに停車する特急ひたち

常磐線

▲いわき駅構内

常磐線

▲磐越東線の案内

常磐線

▲いわき駅に停車する磐越東線

常磐線

▲原ノ町方面へ

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13時20分いわき発 普通富岡行き

いわきでは約40分待ちました。いわきから先も5両編成です。先頭5号車のボックスシートの海側に座りました。乗客はおそらく地元の人だけだと思われます。Suicaの範囲外になるため、いわき以南でSuicaで入場した場合は、きっぷを購入する必要があります。終点までの駅は、草野、四ツ倉、久ノ浜、末続(すえつぎ)、広野、木戸、竜田、富岡です。

四ツ倉を過ぎると単線になり、景色が一変します。海と山の距離が近くなり、その間を電車が走ります。トンネルの合間に見られる集落には新たな堤防が築かれ、被災地の光景が広がります。広野に近づくと町が開けます。広野駅前は新しくロータリーが整備されていました。一時的に複線区間となる広野~木戸間にはJ Villageがあります。木戸駅前には簡易的なビジネスホテルがありました。この先も左手の海には新しい堤防、右手には高架の常磐自動車道を望む景色が続きます。竜田を過ぎトンネルを抜けると、わずかに建屋の一部が見える福島第二原子力発電所を横目に終点富岡に到着しました。富岡到着は上野出発から5時間13分後の13時58分でした。終点まで乗車していた客は約10名程度で、多くが竜田までで下車しました。

竜田

▲竜田駅に到着

常磐線

▲「がんばろう!富岡町の文字」が

常磐線

▲富岡駅の海側の様子

常磐線

▲富岡駅に停車する常磐線

富岡

▲工事中の富岡駅

富岡

▲富岡駅のホーム

帰りの電車が14時4分でしたので、急いで改札へ向かい、駅員にきっぷを渡しました。駅前は閑散としていました。代行バスとの接続はしていませんでした。鉄道不通区間の富岡~浪江を結ぶ代行バスは片道1日6便で、11時30分発の次は16時59分発でした。代行バスを含む常磐線で仙台まで乗りつぶすのは片道だけでも1日がかりのようです。

富岡

▲富岡駅の駅舎

富岡

▲駅舎に隣接するショップ

富岡

▲富岡駅前のバス停留所

なお、復路は14時4分富岡発普通いわき行き(いわき14時45分着)、15時7分いわき発水戸行き(勝田16時33分着)、16時58分勝田発上野行き(上野19時14分着)でした。